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EXO 北米ツアーでの出来事



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去る12日、カナダのバンクーバーUBC大学室内競技場でEXOの [EXO'LUXION]ツアーが行われた。会場周辺は朝から集まったファン達でごった返し、駐車された車の中には国境を越えてアメリカのワシントン州からやって来たナンバーも見てとれた。体育館の関係者が、UBCでこうして多くの人がいっぺんに集まるのは異例な事だと語るほどだった。待機の行列には、多様な国籍の現地アジア人が断然多かったが、アーバン音楽の傾向が強いEXOの特性上、黒人ファンの姿も多く見られた。このようなファン構成の多変化は、この5年間北米地域で観察できたK-POPファン層の変化のひとつの事例でもある。


7,000余り以上の座席が売り切れた中、幕が上がった。アメリカの振付師トニー・テスタが総演出を手がけた初のツアー[THE LOST PLANET]が、全体的に荘重な雰囲気を基盤としパフォーマンスの美学的で芸術的な側面に重きを置いたのに比べて、SMエンタテイメント(以下SM)のパフォーマンスディレクター、シム・ジェウォンが企画した今回のツアーは韓国アイドル特有の生き生きとした親しみのある魅力を前面に強調、ファン達との触れ合いを意図した痕跡が見えた。スクリーンと照明だけを利用してメンバー達がステージの上でリアルタイムで服を着替えながら歌を歌う場面は間違いなく印象的だ。「EXOメンバーのファンになったことがない西洋ヲタはいない」という言葉が出回ったほど北米でのEXOの知名度は高く、公演に若いファン達が多く集まり素晴らしい集中力を見せたことを考えれば、チームの特性を反映させたコンセプトだった。北米ファン達は「中毒」から最近のスペシャルアルバムに収録された「不公平だ」まで全ての曲を完璧に一緒に歌うほどだったし、ほとんど全てのメンバー達に平等に歓声を送った。特に、ステージを見て歓声をあげることを超えて、フロアで一緒にダンスを真似しながらはしゃぐのは、北米の韓国アイドルファン達が持つ地域的な特性だと言える。公演を「観覧」以上のお祭りだと考える北米ファン達特有のダイナミックな観覧マナーは、公演の後半を飾ったEDM-ヒップホップパートで頂点に達した。


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全般的に、コンテンツ-パフォーマンス-触れ合いという側面で上手く作られた公演だった。ただ、花道がなくメインステージだけが会場の片側の端に配置されたという点、セクターの区分がなく、スタンディングの観客達がステージの前に溢れる現象が起こり、怪我を憂慮した主催側が公演を二度ほど中断するという惜しさもあった。初の北米ツアーに対するプレッシャーの為だったかもしれないが、K-POPアイドル最高のチケットパワーを持ったチームだという点を考えれば、会場の規模の選択に多少消極的だったのではないかという感じもする。単純な比較は難しいが、日本の東京でのステージの華やかな構成を思えば、北米ファン達にとっては残念な部分だ。


3時間近く続いたステージのラストは、EXOの公演の練習過程を収めた映像で締めくくられた。彼らのキャッチフレーズである'WE ARE ONE’が繰り返し強調され、英語で用意された映像とコメントでは、これまでグループの浮き沈みにもそばに残ってくれたファン達に対する感謝と抱負などが詰めこまれた。ステージを直接見る機会がない北米ファン達に、都市の名前を叫びながら「ありがとう」、「また来るよ」という言葉を言ったことは、北米ファン達の涙を自然と誘った。それほど、公演は北米ファン達が求めるEXOとの疎通を満たしたし、そのことは、絶対多数のマニアと言ってもいいファン達を基盤に収益構成を形成するSMの公演が持つ意味を見せてくれたようだった。ただ現地の人気を確認し見せることにとどまらず、ファン達の支持を強化させることのできるお祭り。その点において[EXO'LUXION] ツアーはK-POPが北米において持っている独特な威信を興味深く反映する成功的な成果だった。



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