マニット

好きな歌詞をただただ訳すだけの人

私、チョン・スジョン


元記事 GQ3月号

나, 정수정 | GQ KOREA (지큐 코리아) 남성 패션 잡지 http://me2.do/G2qI8HBI


私、チョン・スジョン
 
誰にも引け目を感じない、どこにも属さない、たったひとつのクリスタル、私、チョンスジョン。


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今日インタビューがある、というと気分はどうですか? ただ、何も考えなくなります(笑)。うーん、インタビューはちょっと怖いかもしれません。



怖い? 話をしてみたらお分かりになると思うんですが、私は正直なほうなので、「巻かれる」というか(笑)。私は話をしながら自分をたくさんさらけ出す方だと思います。



秘密は多いですか? 秘密というより、ただ話さないでおこうと思っていることはあります。ファン達に知られたくないこととか、ただプライバシーにとっておきたいこととか。誰にでもそういうのはあるじゃないですか。私は家でも部屋で静かに居るほうです。なんというか、すべてが露出されている職業だから、どこに行っても周りの目がありますよね。だから、何か秘密めいたことを好きになったのかもしれません。部屋の中を私が好きなものでいっぱいにするとか。それを私だけが知ってるということが良いんです(笑)。



先入観で見ると、クリスタルは趣向や好みがはっきりしていて、積極的にそういうことを発言しながら共有しようとする人のように感じます。だけど実は、自分だけが好きでいたいと思うものは… 教えたくないですよ(笑)。そういうものなんです、本当に(笑)。



共有するから良いものもあり、ひとりで大事にするから良いものもありますね。 そうですね。私を癒やすものたちを家に内緒で置いておくんです。



その部屋を少し描写したら、さらに秘密めいてくる気がします。 窓をよく開けます。夜、特に秋に窓を開けると冷たい風が入ってくるじゃないですか。それが部屋の中の暖かい感じと混ざる時、からだは温かいのに空気は冷たいんです。他の季節だったら、いつでも風が入ってくるのが好きです。だけど昼はカーテンを全部閉めて暗くしている時も多いですね。悪魔カーテンって呼んでるものを掛けてます(笑)。それから、とてもかすかな明かりを点けます。そうすると、今ここが昼の2時なのか夜の10時なのか分からないぐらいになるんです。お母さんには、昼に電気を点けてるなんて、電気代節約しなさいって小言をよく言われました(笑)。



昼と夜なら、やはり夜が好きなんですね? はい。夜を過ぎて明け方になる時間が好きですね。平均で2時ぐらいに眠っていると思うんですが、4時とか5時とかまで起きている時もあります。それでいて、よく眠りもします。



突然勇敢になる瞬間があるとすればいつですか? カメラの前に立つ時です。ステージに上がる時も、演技をする時も、写真を撮る時も、カメラの前では一番集中するパワーを感じます。だから、私が一番現れている瞬間なのかもしれませんね。



今自分の目の前にあるのが人ではないという事実を気楽に感じるのですか? そうです。そう考えることもできると思います。人と人の間には何かひとつあるものじゃないですか。直接的じゃないから、自信もさらに湧いてくる気もするし。



スマートフォン時代の肖像とも言えるかもしれません。実際に人と人が対話すると、どうすればいいかわからなくなる場合も多いです。無礼だからというのではなく、どうやって挨拶すればいいのか分からない人のように見えたりもしますし。 私もそういうのが上手くありませんでした。デビューして8年になるけど、何ていうか、それなりに社会生活っていうのかな?人との関係だとか初めて会う人にどうやって接すればいいのかを少しずつ知って学んでいる気がします。幼い頃はとても人見知りで、周りはいつも「少しは笑いなさい」「ちょっとは声を出しなさい。何でそうやって黙ってるの?」って言ってました。そんな言葉を聞くのが本当にストレスでした。私はただ静かにしてるのに、何でみんなプッシュするの?って。だけど歳を取りながら(笑)、理解し始めたんです。子供の時から、誰かが私を見てるだけでも、あの人何で私を見てるの?って思ってたんです。デビューしてからもそれが少し続いてました。適応できなくて。顔を知ってるから見ているのに、それに慣れなくてしょっちゅう「何で見てるんだろう?」そういう気持ちがありました。実は今でも大きく変わった気はしません。恥ずかしがりだし、人見知りだし。



可愛いから見てるんだな、と慣れることはなかったんですか? それは本当に慣れません(笑)。



綺麗だと言われるのはどうですか? それは嬉しいです(笑)。褒められることに飽きることはないと思うので(笑)。



間違った称賛なら、嫌になることもあるのでは? あー、わかる気がします。私が直接見て確認して分かることもありますよね。自分が本当に上手くやれたのか、綺麗だったのか。でも褒められるのはやっぱり嬉しいです。あー、わかんない(笑)。



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23歳ですよね?21、22、23と、どんな変化や自覚がありますか? 特に無い気がします。



20歳になった時はどうでしたか? 私、永遠に自分は10代なんだと思ってました(笑)。その時も大きな変化はありませんでしたが、周囲が自然とお酒を勧めてくるというのが、変わりましたね。



そんな日が来るのを待っていたんですか? いいえ(笑)。お酒は本当に苦手です。顔がすぐ赤くなります。家族と食事する時ワインを添えるぐらいが好きです。飲んでパーティ、そういうのは絶対できません。だけど酔ったことはあります。



酔ってすぐ寝たというような薄い話じゃないことを願います。 いや(笑)。その時が嫌だからお酒を飲まないのもあります。こうやって誰かに寄りかかりながら、愛嬌が多くなるらしいです(笑)。だけどそれが私は嫌だったんです。私も知らない間に誰かに寄りかかったりするの、ちょっとおかしいから。



寄りかかるのが嫌なんですか? 本当に近い間柄じゃなければ、絶対しません。



逆に誰かがスジョンさんに寄りかかろうとするのはどうですか? それは良いです。慰めてあげるのも好きだし。よしよし、いいこいいこって(笑)。



恋愛関係なら? それなら、お互いに頼りながら何かをし合うのが良いですね。友達と一緒にいる時は普通に「私が奢るよ」っていう方ですし。



そんな気がします。クリスタルには、どこか独立的なイメージがあります。 嬉しい言葉です。私にそういう側面があるとするなら、お母さんの影響をたくさん受けたんだと思います。お母さんは今の私の歳で全てを独立して叶えてきたし、今もひとりで何でも上手くやります。性格や話し方もお母さんの影響が大きいです。私にそんなイメージがあるということがとても嬉しいですね。自分を更にそうしていきたいし、それが本当の私でもあるので。



クリスタルは賢いでしょうか? ある部分では賢いような気もするけど(笑)、それを自分の口でどう話せばいいの(笑)?私は賢いというより、少し冷静なんだと思います。これも若干、独立的なイメージと関連しているのかもしれない。好きなら好きで、嫌いなら嫌いときっぱり言い切ります。



自分が馬鹿みたいだと思う時はいつですか? 大切な人、好きな人、男性だろうが家族だろうが彼らが弱っている姿を見た時です。何だか自分自身が馬鹿になったような気分になります。自分のことは置いておいて、何かを全て受け止めてあげたくなって、言葉通り馬鹿になります。そういうところがあるんです。私がケアする人に対しては。



クリスタルは冷たいという言葉、どうですか? 分かりません。常に冷たいという言葉が出てくる、理由があるはずでしょう。嫌になると言ってもいいのかわからないけど(笑)、正直うんざりする時もあります。だけどただうんざりすると言ったら駄目ですよね(笑)?実は自分がよく分かりません。幼い時には、自分がどうなのか、あたたかいのか冷たいのかよく分からないじゃないですか。だけど、何度も言われて気後れしたのもあります。もう少し警戒するようになって、心置きなく笑えなくなって。



そうすればするほど、ステージという場所は仮面を被って隠れるのにぴったりの場所になったりもしますね。 そうですね。ステージでは私が最高だから。最高じゃないといけないから(笑)。だけど、ただ冷たいということではなくて性格が良くないっていう話もあるんですよ(笑)。そういう話があることで、意外と気が楽になったりもします。自分が実際に性格が悪いとは思わないですけど(笑)。とても近い間柄ではない以上、ただ私の一部のイメージを見ている訳じゃないですか。冷静な時は冷静で、違う時は違う。ただ感じたままに言っているから、そうなってしまうんだと思います。でも全ての人間には善と悪があるじゃないですか?あえて隠そうとすることでも無いですよね。ただ、私は私のままでいようと思っています。難しいとも思うし、嫌だという感じもするけど、ただ受け入れなければいけないんだと思います。



何でも全て受け入れる必要はありません。撥ね付けるものは撥ね付けないと。自分が自分を正確に見ようとするのが重要なんです。人々はどうせ自分達が見たいものを見るんですから。
そうですね。そう思います。



私も今「独立的な」という言葉でスジョンさんを見ようとしていますしね。 (笑)はい、ただありのままの私を受け入れて下さると良いんだけど、それが本当に難しいです。



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クリスタルのイメージの中には、こんなものもありますよね。女性達がもっと好きな女性。 はい(笑)知ってます。



そうすると、男性達にはそんなに好かれていないという話になりますか? それに対しては何も感じません(笑)。女性ファンが多いこと、私はそれが嬉しいです。女性が同じ女性を好きで応援して支持するのは、もっと難しいことだと思います。私も自分を分かってますしね。私は、まさに女の子っぽい、可愛らしい顔ではないじゃないですか。私は中性的な顔ですから。それをあまり好まない男性もいるはずですし。それはまぁ全て個人の好みなので、私が努力することではないと思います。イメージの為に悩んだことはありません。実は私は可愛いという言葉も好きだけど、格好良いという言葉が好きなんです。なぜなら、女性が格好良いという言葉を言われるのは難しいじゃないですか。女性達が格好良いと言ってくれると嬉しくなります。



好きで尊敬する女性像もまた、そうでしょう?格好良い女性達。 ええ、そうです(笑)



そうかと思えば、クリスタルは性的少数者のコミュニティーでも愛情と支持を集める名前でもありますよね。女子校で一番人気のある「お姉さん」みたいなイメージもあり。 知ってます。インターネットにたくさん書かれてました(笑)。それも嬉しいです。考えてみれば、私にはとても女性らしい面もあると思います。私がわざと、ある姿を演技するみたいにアピールしたくはないというだけで。いつも私はただ私なのに、私のこんな面、あんな面を多様に好きでいてくれることは面白くてありがたいことです。私は全部オッケー!(笑)



突然、<ハイキック!短足の逆襲>で「プインプイン」を乱発していた'アン・スジョン'が思い出されますね。 そうですね。私がそこで任された役は、お兄さんにも怒鳴りながら全て勝とうとする女の子でしたが、自分が必要な時にだけ愛嬌を見せる設定でしたね。初めその設定を聞いて、これを本当にしなきゃいけないのかって聞きました。だけどプロデューサーの先生は初めから手の動作も私に作ってみろとおっしゃいました。こうしますか?こうしますか?とやってるうちにあんな風になったんだけど(笑)、それなりに流行語にもなったし、悪くは無かったですね。



その後は。 絶対にしませんでした。させられてもちゃんとやらなかった。



クリスタルは何かを分かってるような、そんなイメージもありますよね。 私、そうですか?趣向とか、何か私のものが確固たるものになればなるほど、賢くなる気分になります。賢いという言葉はちょっと笑えるけど、勉強ができるということだけが賢いということだとは思いません(笑)。



ここは学校じゃないから。 ええ、そうでしょう?こっち側の職業で見ると、趣向や感性で人を感じて、判断できるように思います。だけど、私が本当に何かを分かってるようで、賢く見えますか?



正確に話せば、そういう人であることを願う気持ちもありますね。誰かのインタビューの度に、似たような期待があります。この人が思ってたよりももっと素敵だったらなと! 褒めてるんですよね(笑)?



聞いてたじゃないですか。直接判断して下さい。 (笑)何と言えばいいんでしょうか。「私はこれが好きだから人とは違う」、そんな風に考えたことはありません。人とは違って見せようと、わざとしていることも無いですし。ただ好きなものに付いて行きます。本当に、心が行くままに。だから本当は、何かを好きだという話をする時に注意深くなります。見栄を張っていると誤解されそうで。



そういう注意深さは当然だし良いことですね。質問して疑って、好奇心をもつ過程ですから。自身で判断してしまったらそれまででしょう。誤解はただの誤解だから。 だけど誤解はつまり私だという気がします(笑)。



有名人として生きる難しさというのは、昨日今日のことではないというけれど、だからこそ、クリスタルはどうするのですか? 本当の私を知っている人、私と本当に近い人が重要だと思います。私と本当に親しい人達にこういう悩みを話すと、「スジョン、私はあなたをよく分かってる。よく分かってるから他の人達と同じ目線では見れない。何て言ってあげればいいのか分からない。」こう言います。だからこういうことはただ無視しなきゃ、スルーしなきゃ、そう思ってますね。気になるけど、ずっと自己催眠みたいな感じです。無視しよう、スルーしよう、冷静になりたいです。



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冷静なチョン・スジョンさんにとって、f(x)はどんなチームなのか、聞いてみましょうか? 卓越したカラーのチームです。本当にプライドを持っているんです。いつも新しいことをしたと思います。私達が全員違うからです。容姿と性格、国、声、全てが違うメンバー達が集まったシナジーがf(x)になったんだと思います。



プライドを持つしかありませんよ。だけど、寂しくはありませんか。f(x)は未だに新しいけれど相変わらず… ひとりぼっちですね。



f(x)が新しくて格好良いものを見せてくれたなら、さらに新しくてもっと格好良いものを披露しようとするチームや音楽が出続ければ正常だろうに、こちらはそんなに動きがないですね。 そうですね。実は寂しさもあります。f(x)はジャンルが初めから「f(x)らしさ」じゃないですか。独特で新鮮だと言いながらも、そういったものを直接しようとはしないみたいです。うーん、でもこうしてひとりで寂しくしてることも悪くはないと思います。他のことは気にする必要がないじゃないですか。



今年の最初の後悔として、f(x)のコンサートに行けなかったことを挙げている私みたいな人がかなりいるんでしょう? 見られなかったんですね。本当に面白かったのに(笑)。2時間がすぐに過ぎてしまいました。実は、ステージがそんなに面白いものなのか、以前は分かりませんでした。今まで何年と活動してきたけど、何年と言ってるだけで実際の活動は1年に一回ひと月、そんな風にしてきたし、ステージといっても一日中TV局で待機して3分くらいのステージをして、その時間が全て楽しいばかりではありませんでした。だけどコンサートはこうして、観客との呼吸が…



表情を見るとわかる気がします。どんな感覚なのか。 高揚して、刺激的で、半端無かったです。とても良かったです。実は私コンサートというものを特別期待していなかったんです。コンサートは何だかファンが多い人だけがするものみたいで、夢にも思っていませんでした。私がそんなことをできるのかな?と。だけど準備しながらすぐに実感しました。だからコンサートをするんだな!歌ってダンスするのがとっても楽しくて、本当に、私を少し解き放つようでした。過去を振り返ってみると、初めてデビューした時、<4 Walls> アルバムを出して初ステージに立った時、そしてコンサートの時。この3つの瞬間を選ぶことができると思います。今まで発表したタイトル曲の中では私は‘4walls’が一番好きです。



どこかで過去と未来について答えているのを見ました。クリスタルにとって過去とはどのような意味なのですか? うーん、過去には私がいなかったじゃないですか。例えば私は94年生だから90年代もよく分からないですよね。とても小さかったから。その時代を今の年齢と感覚で生きたならどうなるのか、とても気になります。もっと古い時代も気になりますし。見ていると、私が生まれる前にあったものは今よりずっと綺麗だという感じがします。だからずっと探して見てしまいます。見たいし、聞きたいし。未来はどうせ来るじゃないですか。私が経験するものだから、気にはなりません(笑)。だけど過去はすでに過ぎてしまって行くことができなくて、とても興味があるんです。断然私の趣向のものが多かった時代。



クリスタルに関して最後のイメージに関する話をしなければいけませんね。それは、アーティストでしょう。誰がどのように使うかによって、ものすごく変わってくる言葉でもありますが、実はただの単純な単語でもありますよね。 私にとっては本当に重要な言葉です。歌とダンス、何かを表現すること、写真を撮ったり撮られることも。さっき撮影する時、目に何か表情があるといいとおっしゃっいましたね。私は、その言葉を表現する人になる訳じゃないですか。そういう状況や表現が全てアーティストのものだと思います。私は自分自身がアーティストだと思っています。自分を本当の私らしいアーティストにする過程にいるアーティスト。その言葉がただただ好きでもあるけど、誰にでも手に入る言葉ではない気がして、いろいろと考えます。本当にたくさん悩むんです。なぜなら、偽物も本当に多いから。



自分が偽物であることを知らない偽物もいますし。 ええ。偽物にならない為、偽物を見分ける為、そうなるには結局私らしいことをしなければいけない気がします。



自分が何をもっとやれるのか考えるより… そうですね。自分が何をしなきゃいけないのか、それがもっと重要だと思います。



自らがアーティストなら、誰が何と言っても… 関係ないです。



怖くはないですよね? 上手くやり遂げなきゃいけないですね(笑)。



先程インタビューは少し怖いと言っていたけど、今はパイオニアのような表情ですね。 実はこんな風に考えていました。ひたすら皆が笑っている時、ひとり笑っていない姿みたいなものが私にはあるからなのか、単純に自分が新しいイメージを開拓していこう、どこにも属さない、独立した存在になろう、そんな風に考えました。考え続けなければいけませんね。何かをたくさん考えなければいけない気がします。私はもう23歳じゃないですか。考えたいことがたくさんあります。表現したいものも増えるはずです。



過去が今よりもっと素敵で新しく見える、さらにはやたらと入り乱れた時代です。1994年生チョン・スジョンさん、どうか、くたびれないでください。 はい!そうします(笑)。









長かった...